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ココア

四歳の私はココアに食パンの耳を浸して食べるのが好きだった。その日もそれを食べて悦に入っていたのだが、途中で遊びの続きを始めてしまい、気付いた時にはココアは全部耳に吸収されていた。私は逆上し「ココア飲んだでしょ!」と母に喰ってかかった。あの時、母に叱られなかったのは何故なのだろう。
by konohana-bunko | 2011-10-29 11:19 | 空中底辺 | Comments(2)

音の地図

駅への道で聴いた音。雀の声。扉に鍵をかける音。あちこち軋む古い自転車。ブーツの踵の音。携帯電話の着信音。植木鋏の音。バケツの水を零す音。後ろから追い抜くバイク。踏切の警報機、電車の音。偶然すれ違う音と、いつもそこで聞く音。家から駅までの音の地図を描いてみたい。色鉛筆で塗り分けて。
by konohana-bunko | 2011-10-28 11:20 | 空中底辺 | Comments(2)

画材店

午後の画材店に入る。窓辺のパレットナイフ、棚をびっしり埋める水彩油彩の絵具、筆や刷毛の毛羽立ちにも明るい日が差し、このありのままの道具の姿が既にうつくしい。中でも圧倒されるのは、岩絵具。理科室にあるような硝子壜の武骨さと、一色一色に付された雅やかな名の懸隔に、いつも痺れてしまう。
by konohana-bunko | 2011-10-27 11:19 | 空中底辺 | Comments(0)

冷蔵庫

朝卵焼きを作ろうと冷蔵庫を開けたら中に蜘蛛がいた。草花に潜んでいるような薄緑色の小さな蜘蛛。(寒いやんそんなところにおったら!)と、捕まえて庭に出した。そこで蜘蛛が大嫌いな同級生を思い出した。漁師をしている大男なのだが、彼だったら、冷蔵庫ごと海に投げ飛ばしてしまったかもしれない。
by konohana-bunko | 2011-10-26 11:22 | 空中底辺 | Comments(0)

ちっちゃいルイルイ

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ベランダでおくつろぎ中。

息子1号がいろいろ調べものをしている途中、あるサイトでアメリカンショートヘアの子猫の画像を見つけた。(うちの猫に似とんなあ)とよくよく目を凝らすと、猫の背後に立てかけてある本のタイトルが『橘曙覧全歌集』。
「お母ちゃん、これルイルイやんナ」
「いや~、ほんまやわ」
知らない間に使っていただいていたらしい。うちに来て間なしの頃の写真。小っちゃいなあ!この頃の写真を、ハードディスクのクラッシュで失ったばかりなので、なつかしいやらうれしいやら。

小っちゃいルイルイととっ散らかった母の机の画像はこちら↓
「OpenCVで遊ぼう!」パノラマ写真プログラム2
by konohana-bunko | 2011-10-25 17:16 | 猫是好日 | Comments(2)

高きに登る

日曜日、晴れ。地元百貨店のレストラン街へ。七階のトイレに行くと東向きの窓があり、青空の下、正面に耳成山、右手に香具山、耳成山の後ろに三輪山、左手へと山が連なり、高円山、若草山まではっきりと見えた。何と贅沢な眺望。高きに登るという季語を思い出した。重陽の節句は過ぎてしまったけれど。
by konohana-bunko | 2011-10-24 11:23 | 空中底辺 | Comments(0)

秋の剪定

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職人さんが梯子を立てて、花水木の枝を伐ってゆく。色づいた葉、漸く熟した赤い実が、ばさ、ばさ、と地面に落ちる。もう少し待ってほしい気もする。鵯が実を食べに来るまで。竹箒の音が止んだので出てみたら、樹形がきれいに整っていた。樹木への思いやりが感じられる剪定で、ほっとした。明日は雨だ。
by konohana-bunko | 2011-10-21 17:32 | 空中底辺 | Comments(0)

猫、居眠り

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風がさわやかで、眠くて、眠くて。
by konohana-bunko | 2011-10-20 17:18 | 猫是好日 | Comments(2)

けいこ

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本の中の知らない言葉に驚いた、古い記憶。ある絵本の頁に、ベッドで休む姫とそれを見守る乳母の絵があり、そこに「ねずのばん」という言葉が出てきた。(こんなに豪華で綺麗なお城の中やのに鼠がいっぱい出るんや、大変やナ)と思った。一方、何故か乳母という言葉には何のひっかかりも感じなかった。
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もっと驚いたのは、同じく絵本で、姫を救う為王子がガラスの山を登る「けいこをする」という言葉。(何でこんな所に敬子ちゃんが出てくるんやろ!)幼稚園の同じ組に敬子ちゃんという子がいたのだ。(絵本に載ってんのに平気な顔して、すごいなぁ)彼女の顔を何度も覗き込んで、しまいに不審がられた。
by konohana-bunko | 2011-10-19 17:26 | 空中底辺 | Comments(2)

空の青

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車窓から見つけた秋の色。川面に映る羊雲の色。稲刈りの後、田圃に撒かれた切り藁の色。籾殻を燻す青白い煙。秋桜の花の色。日を浴びて乾いた墓石の色。熟しかけた柿の色。車内にも日が差してきた。隣で居眠りしている学生が、膝の上に開いたままのノートの罫線、これも秋の色だ。空の空なる空の青だ。
by konohana-bunko | 2011-10-18 17:21 | 空中底辺 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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