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世界ネコ歩きを観る猫

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NHKでやっていた岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」を熱心に視聴するルイルイ。普段テレビの映像にはさほど興味を示さないのだが、この映像にはよほど猫ごころをそそるものがあったらしい。岩合さん、さすが!
by konohana-bunko | 2012-08-17 20:23 | 猫是好日 | Comments(2)

『汀暮抄』 大辻隆弘

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大辻隆弘第七歌集『汀暮抄』より、以下引用。



人あらぬ屋上階にのぼりきて銀杏の錐の全貌を見る

窓の辺に逆さに立てむとするときに清く鳴りたる牛乳の壜

つくづくと歌の読めない女かなびらびらと赤き付箋を貼りて

漂転暮帰愁ふといへる詩句ひとつわが同年の杜甫の嘆きに

ハンガーを左にずらし干すシャツのひらめきのなかに妻の朝あり

名古屋から那覇ですといふ声がして甘やかにまどろみが誘ふ

みづあさぎいろの曇りが夏暁の南の窓を占めゐたるのみ

ひとつかみほどの太さの夕かげが角度を帯びて部屋をつらぬく

舟板に鵞と豚を載せあやふくも棹をあやつる画中の一人

文政の四年出島に渡来せし駱駝の雌雄が見あげたる空

春の夜にこころやさしく思ふかな種子郵便の割引なども

東京に往反をせし初夏の二日がほどに麦は色づく

夕空の高きに吹かれゐる欅あかるさはたましひのはつなつ

ファックスが吐くあたたかき紙の上に玉城徹のけさの訃を知る

ニーチェにはあらずと告げて出典を糺したまひきわれの批評に

ちりぢりになりたる「うた」の門弟のそのひとりなる女の泣くこゑ

十代の玉城徹の歌を読む日脚ののぶる部屋に坐りて

袋綴ぢの「多摩」のページをおそるおそる刃先に裂きて読み進めたり

小春日のひかりを裏返すやうに白木の椅子にニスを塗るひと



大辻さんのお名前の辻の字、正しくは点がひとつの「辶」です。

写真は興福寺にて。
by konohana-bunko | 2012-08-14 22:15 | 読書雑感 | Comments(0)

読書の記録 文月

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『とらたとおおゆき』 なかがわりえこ ぶん なかがわそうや え 福音館書店
『夜猫ホテル』 文 舟崎克彦 画 落田洋子 パロル舎
『THE DANCE TIGER』 Retold by Shosaku Kanamori English Text by Sayuri Suzuki Illustrated by Sookhang Chong Labo Teaching Information Center
『キップをなくして』 池澤夏樹 角川書店
『No.1理論』 西田文郎 三笠書房知的生き方文庫
『本は読めないものだから心配するな』 管啓次郎 左右社
『小鳥の歌』 アントニー・デ・メロ著 谷口正子訳 女子パウロ会

『キップをなくして』、久し振りに司馬遼太郎以外の小説を読んだ。面白かった。
『本は読めないものだから―』前々から気になっていたところへ、sunabaさんが勧めてくれはったので読めました。
踊る虎の絵本は、朝鮮の昔話。
朝鮮の昔話の語り起こし「虎が煙草を吸っていた頃……」っていうの、好きやな。

写真はなら燈花会にて。
by konohana-bunko | 2012-08-11 23:49 | 読書雑感 | Comments(0)

雷雨

大粒の雨が落ちてきた。慌てて庭に駆け込んだら、薔薇の木で休んでいた揚羽を驚かせてしまった。揚羽は一旦舞い上がり、また薔薇の葉陰に止まった。南の空に稲光。五秒後に雷鳴。どどん、と空気が震えた瞬間、閉じていた揚羽の羽が、はっ、と開いて、また閉じた。しっかり掴まってなよ。雨が止むまで。
by konohana-bunko | 2012-08-11 16:47 | 空中底辺 | Comments(0)

向日葵

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見上げる高さに咲いている二輪の向日葵にカメラを向ける。夏空を背に、風にわずかに揺れる向日葵。シャッターを押そうとしたら、ファインダーの中の花達が顔を見合わせて、くすくす笑った。仲の良い女の子同士みたいに。今までどうして気が付かなかったんだろう、花がいつでも笑っていたということに。
by konohana-bunko | 2012-08-09 16:49 | 空中底辺 | Comments(0)

ブライアン・ワイルドスミスの絵本

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『どうぶつ』 えとぶん/ブライアン・ワイルドスミス やく/わたなべしげお らくだ出版
『とり』 えとぶん/ブライアン・ワイルドスミス やく/わたなべしげお らくだ出版

『とり』は日本橋、『どうぶつ』は新大宮のブにて。
色がとってもきれい。
鳥獣虫魚いいよなあ。
by konohana-bunko | 2012-08-07 20:28 | あんな本こんな本 | Comments(0)

ひとつかみの夏雲が

両腕で大きなUの字を作って、机に突っ伏して目を閉じて下さい。あなたの左肩が金剛山と葛城山、左の肘が二上山、左手が生駒山です。右肩は高取山、二の腕は多武峰、肘が三輪山、そして右の指が若草山です。両腕に包まれた平らな街でわたしは暮らしています。蝉が鳴き蜻蛉が飛び、風が吹くと青い田面に白い光の波が走ります。古い家々の庭では百日草が咲き糸瓜が伸び、枝豆の毛むくじゃらの莢が太り始めています。ひとつかみの夏雲があなたの左腕を越え、わたしの街に影を曳き、あなたの右腕に向かって通り過ぎようとしています。この街に住んで初めて、夏山を撫でてゆく雲の影の美しさに気付きました。
by konohana-bunko | 2012-08-04 16:52 | 空中底辺 | Comments(0)

遠花火

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7月31日、マンションの階段を上って桜井のおんぱら祭の花火を見る。
たぶんここから、10km離れていない。
光が開いて、しばらくして、ととん、とん、とん、と音が届く。
風はほとんどない。月が明るい。
ぼんやり花火を眺めて、いい加減な写真を撮って、何とはなしに満たされたような。
by konohana-bunko | 2012-08-03 10:48 | 日乗 | Comments(0)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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