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知らないことを思い出す

何か書かないとこころが干からびる。かと言って、くだらないことを書き散らしても、後でこころがささくれだつだけ。わたしはただの容れものだ。書きたいという思いだけがあって、具体的な中身が何もない。

ことばの遅いこどものように、しゃがみこんで土や虫や花をぼんやり見ている。何も感じていないわけではないのだ、断じて。こころはいつも動いている、逆に、感じ過ぎて苦しいくらいだ。しかし、どんなに情緒や情趣が渦巻いていたとしても、表現しなければ、それらは「ない」のと同じなのだ。

知らないことを思い出すのと同じ行為だ。うたを詠むということは。
by konohana-bunko | 2014-12-03 19:07 | 空中底辺 | Comments(3)

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり
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