部屋の床の上に本の山がある。いくつかの本の山が合体して島になっている。本棚に本は当たり前、本棚の前に本、テーブルの上に本、トイレに本、玄関に本。そんな家の中に、古本屋さんが二人入って来た。どちらも若い男の人で、前掛けなんかしている。二人はわたしの目の前で、散らかった本の整理をはじめた。非常にきびきびと、息の合った動きで、本はあっという間に片付いてしまった。きれいになった部屋で茫然としていたら、二人のうちの一人が振り向いて
「全部で二万円です」
と、笑顔で言う。
えーッ、それはない!それは絶ッ対にない!!と叫んだところで目が覚めた。新手の、悪夢だ……。