冬晴

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冬晴。窓に背を向け本を読んでいたら、卓上に猫が来た。太陽に尻を向けて香箱を作る。全身の毛の奥まで日の温みを含ませ、満ち足りた鳩のように喉を鳴らす。猫には猫のしあわせがあるのだろう。かく言う私も猫の背を撫でている時は満更でもない気分だ。今朝も五時に踏み起こされて眠気は兆すけれども。
by konohana-bunko | 2013-01-06 22:10 | 空中底辺

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり