橘曙覧メモ(4)
2006年 05月 06日
24 今も世に いまされざらむ よはひにも あらざるものを あはれ親なし (p34)
母の三十七年忌に おのれ二歳といふとしに、みまかりたまへりしなりけり
35 はふ児(こ)にて わかれまつりし 身のうさは 面(おも)だに母を 知らぬなりけり (p37)
越智通世が妻のみまかりけるとぶらひに
53 亡き母を したひよわりて 寝たる児の 顔見るばかり 憂きことはあらじ (p42)
○曙覧は紙筆墨および家伝薬を商う家の嫡子として生まれた。父は正玄(しょうげん)五郎右衛門、母は都留子。二歳の時に母と、十五歳の時に父と死別する。