『小鳥はなぜ歌うのか』 小西正一
2007年 02月 10日
近鉄奈良の古書フェアにて、200円。
こういう、自然科学系の読み物が好きで、時折読む。書いてあることは、わかることもあれば、わからないこともある。『物理の散歩道』なんて、ホンマはわからん話の方が多いのに、何か最後まで読んでしまう。中身もだが、文体が好きなのだ。論文ほど味気ないこともなく、かといって無駄のない文章。
『小鳥はなぜ歌うのか』より、以下引用。
一昔前に、ニワトリのとさかが固体識別に大切であることを示した実験があった。ニワトリの群れには、ボス、小ボスと、いじめる順番がある。見慣れない鳥を小屋に入れると、最初は皆にいじめられる。
さて雌鳥のとさかは普通顔の片側に垂れ下がっているが、いま一羽の雌のとさかを顔の逆側に垂らして、小屋にもどしてやると、まるで新しい鳥のように、皆にいじめられる。しかし、自分は仲間を知っているから、自分より弱いものにはつっつきかえす。つつかれた仲間はそれでびっくりさせられるのである。(p47-48)
これは少し余談になるが、ひなどうしが孵化前に語り合うという報告も出ている。ウズラやカモ類では一組十何個の卵がお互い申し合わせたように、一~ニ時間内に全部孵化してしまう。親はひなが全部そろうと、すぐ巣からひなを安全なところへ連れていかなければならないので、卵が全部いっしょに孵ってくれると都合がよい。(中略)
ひなは孵化する前に声を出すし、卵の殻をつつく音とか他の音も出すのである。これらの音が隣の卵に次つぎと伝わることによって、そのなかにいるひなを刺激し、孵化をうながすものと考えられている。(p50-51)
引用終わり。そうだ。今年は「タイトな文章」を心がけて書く。書くぞ。書くんやからナ!