そしてまた雪
2008年 02月 09日
『詩人 金子光晴自伝』読了。
《青年が老年をながめた時の遠さにくらべて、老年が青年をふり返る路は、目の下にひろがっていて、経験の重なりのなかにすべてが生きている感じで、手にとるように近い。そして、人生に対するとらえどころのなさは、互いに少しも変らず、わからない部分はそのままで、なに一つ本質的にわからずにすぎてしまう。そして、僕は四十年前とおなじ場所で、今日も猶、おなじようにまさぐりをつづけている。》(p231 「寂しさ」より)
未読の歌集がようけたまってきたデ。
たなぎらひ雪降る空をゆくいのち鳥の生にもあらむ愉と楽 あとり