背中が目にしみる

31日(水)、リサイクル書店へ行く。以前行った時に絵本の在庫が増えていて、佐藤さとるの『おおきな木がほしい』が飾ってあったのが印象に残っていたからだ。もちろん、売れていて、ない。あの、樹の上で焼くホットケーキって美味しそうだったよなあ。その代わりと言っては何だがレオ=レオニの『ひとあし ひとあし』を見つける。これは眺めるのにいい絵本。エリック・カールよりもレオニの方が好きかもしれない。
棚を見回しても、「読みたい」本が見当たらない。こんなにたくさん本があるのに、「読みたい!」とふるいつきたくなる1冊がないというのは如何なものか?(まあ、あればあったで、高い←→欲しい、で悩む羽目に陥ったりするわけだが…。)こういう時はあっさり割り切って「扱いたい」本を探す。これはこれで作業として面白い。家に未読の本のあれも、これも、それも、あるしね。(汗)
ハードカバーのところで、シャーリー・マクレーンの『アウト・オン・ア・リム』を。文庫では田島征彦の『口丹波呑呑記』、中勘助の『銀の匙』を選ぶ。
背表紙ばかり読んでいる今日此頃。
# by konohana-bunko | 2005-09-01 09:32 | 古本屋さん開業記

在庫リスト更新のお知らせ

在庫リスト更新のお知らせ_c0073633_11223377.jpg

■在庫リストを更新いたしました。(2005.8.30)

このはな文庫在庫リスト
http://konohanabunko.hp.infoseek.co.jp/

・おかげさまで、Yahoo!のオークションでも、またこちらの在庫リストからも、本のご注文をいただけるようになりました。うれしい限りです。本当にありがとうございます!! 

・おすすめは「澤田ふじ子の本棚」です。きれいな文庫がお買い得です。ご覧いただければ幸いです。

・本と人との出会いを楽しみつつ、これからも努めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます!m(_ _)m

(写真・天川村にて。)
# by konohana-bunko | 2005-08-30 11:23

魔導師

これは息子1号が小学校低学年の頃に作ったもの。当時彼の手には「鋏胼胝」があったのである。

時間が経つのが早い。こどもがとても幼かった時期は、1週間、1ヶ月が長かったが、手のかかる時期が過ぎてしまうと、あっという間に1年が経ってゆく。こどもたちが健やかであることは、何よりもうれしい。

こどもは育つ。わたしは年をとる。年をとるのは悪くない。特に、短歌と出会ってから、年をとるのが楽しみになった。

現在進行形のこどもたちを見ていると、自分のこどもの頃を思い出すこともある。こどもたちが思春期を通ってゆく間、わたしも自分の過去(こしかた)のあれこれを思うのかもしれない。

もし魔法使いが現れて「一日だけ過去に戻してやろう」と言ってくれたとしても、わたしはどこへも帰らない。今、ここにいる。ここが、わたしの場所だ。
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# by konohana-bunko | 2005-08-29 19:49 | 日乗

沈没船

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20日(土)は大阪へ。難波の大阪市生涯学習センターへ歌会の会場を予約しに行く。その後地下鉄を乗り換えて谷町4丁目へ出る。目当ては大阪歴史博物館、「特別展 東アジア中世海道」である。歴史にはとんと疎いのだが、昔の沈没船から引き揚げられた陶磁が多く展示されていると聞いて、これはぜひ見ねばと楽しみにしていたのだ。(写真上・博物館外観)
中国や朝鮮から運ばれてきた陶磁陶片が数多く展示されている。青磁のものが多い。壺、皿、茶碗、その他、その他。それらの中で印象に残ったのは、13世紀の珠洲焼の大きな壺。フジツボがたくさん付着してはいるものの、完全な形で引き揚げられている。地味だけれども、実用的な輸出品だったのだろう。陶磁以外には、倭寇を描いた絵巻物。宋時代の書物。(わたしは宋朝体が好きだ。あの文字を見ると昔買った旺文社文庫の『雨月物語』を思い出す。)穴に紐を通し、大甕に詰められた銭。最後のコーナーには、東アジア地域でみられるさまざまな「獅子」の展示があり、中国の獅子舞(前後に2人入って踊るもの)の獅子や沖縄のシーサーもあり、予想していたよりずっと見ごたえがあった。(写真中・博物館の窓から見える大阪城。向かいのJAがガラスに映り込む)

もろともに沈みしあまた船と壺書物香木銭水夫炊夫

海底に壺あまたあり皿もあり沈みし人の骨はあらなく
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展示を見た後、ロビーのミュージアム・ショップへ。絵葉書があったら欲しかったのだがいいものが見当たらず。ま、買い物に来たわけでなし、と思っていたところに、『京都国立博物館ベストオブアートNo.3 鶴下絵和歌巻』を手に取ってしまったのが運の尽き。どうしても手から離せなくなってしまい1,200円で購入。あああ全然関係ないもん買うてもうた。でもしあわせ。(写真下・当該本。これは売らないヨ☆)
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# by konohana-bunko | 2005-08-25 12:41 | 日乗

アクアライフ

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部屋の整理をしたら、1980年から1992年までの「アクアライフ」と「フィッシュマガジン」のバックナンバーが出てきた。見たところそうはげしい傷みはなかったので早速Yahoo!のオークションに出品してみる。愛好家の方が、それぞれお好みの魚種の特集を選んで落札して下さる。感謝。(写真上・アクアライフNo.120/1987.7表紙。)
出品のために表紙を拭いたり、写真を撮ったりする折々に、ついぱらぱらと眺めてしまう。やっぱり魚はいいもんね。アロワナとか、ノーザンバラムンディーとか。ポリプテルスも飼ったなあ…としばし感慨にふける。
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ここ数年はヒーターいらずのオヤニラミやタイリクバラタナゴなど日本産淡水魚に嗜好が傾きはじめていた。傾き始めたのはいいがそこへもともとのフィッシュ・イーター(魚喰いの大型魚)好きのバイヤスがかかって、カムルチー(ライギョ)の幼魚を入れてしまった。水槽の中の魚が1匹、また1匹と姿を消すたびにでかくなってゆくカムルチー。かくして現在、75cm水槽に体長25cmのカムルチーが1尾だけ。贅沢なんだか何なんだか。もう4年越しである。
(写真中・カムルチーの「ハチ」。好物は庭のミミズ。)
カムルチーだけというのも殺風景だよね、と時折飼ってみるのがベタ。手軽に飼えて、色もきれいだ。オス同士を近づけると、鰭も鰓も目一杯広げて挑発しあう。同じ容器に入れてはいけない。入れると、どちらかが死ぬまで齧りあう。それは、まるでダンスを踊っているように見える。音を立てずに、ベタたちは踊る。生殖のための、命がけの闘いの踊り。
この夏はベタのメスを飼ってみた。
(写真下・ベタの「りえちゃん」。好物はクリルの端っこ、蚊。)
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# by konohana-bunko | 2005-08-18 11:20 | 日乗

何もないところを空といふのならわたしは洗ふ虹が顕つまで


by このはな文庫 十谷あとり